おしりの黒ずみは馬油では治らない?成分からみる医学的見解
2019.06.03
おしりの黒ずみに馬油(バーユ)は効果的なのでしょうか。
このページに辿りついた方は、お尻の「黒ずみが気になる」「黒ずみを治したい」と考えている方がほとんどだと思います。
通販の黒ずみ解消クリームと違い、馬油は比較的安価なので購入しやすいため、馬油で悩みを解決できたら嬉しいですよね。
しかし、馬油でおしりの黒ずみをケアすることはできますが、消すことはできないのです。
今回の記事では、その理由について成分や医学的根拠を交えて説明します。
また、このまま読み進めても問題はありませんが、「>おしりの黒ずみの3つの原因と誰でも治せる4つの治し方」こちらの記事を先に読んでおくことで、今回の内容をより深く理解できます。
馬油とは
馬油は、人間にとって最も優れたスキンケア成分と言われています。
その理由は、角質層の細胞間脂質にもっとも近い成分で自然な油脂だからです。
馬油の歴史は古く、中国では約4000年も前から火傷をはじめ、肌荒れ、切り傷、ひびなどの民間治療薬として使われてきました。
最近よく見かけることの多い馬油は、名称のとおり「馬の油」で、動物性の天然油です。
「バーユ」は地方によっては「マーユ」などとも呼ばれ、馬のたてがみやお腹の脂肪などを煮立たせて不純物をろ過して造られてきました。
現在では、多くの化粧品でも見かけるようにスキンケア用品として広く用いられています。
しかし、馬油は敏感肌や乾燥肌などのスキンケア用品としてはとても万能なのですが、おしりの黒ずみなどを解消する成分は含まれていないのです。
馬油に含まれる万能な成分
馬油には以下の美容効果の高い5つの成分が豊富に含まれています。
- オレイン酸
- パルミチン酸
- パルミトレイン酸
- リノール酸
- α-リノレン酸
これらの成分にはどのような効果や特徴があるのか詳しく見てみましょう。
オレイン酸
オレイン酸とは、動物性脂肪や植物油に多く含まれている脂肪酸のことです。
この脂肪酸は、皮脂腺から分泌する皮脂を構成する成分が約40%を占めているため、肌に馴染みがよく保湿効果があります。
また、オレイン酸を体内に摂り入れると、血中のコレステロールを適正に保つ働きがあります。

愛先生
オレイン酸は保湿効果が高いため、肌荒れや乾燥肌などの肌トラブルの予防や改善に役立ちます。
パルミチン酸
出典 : http://hisesshoku-derm.com/archives/04materials/
images/palmitic_acid_p.php
パルミチン酸は、飽和脂肪酸(ほうわしぼうさん)の一種で、炭素鎖に二重結合や三重結合を有しない脂肪酸のことです。
レチノール(ビタミンA)などは劣化しやすいのですが、このパルミチン酸を含むことでレチノールの安定性を高めることができるので、コラーゲンなどの生成を促進させてくれます。

愛先生
パルミチン酸でコラーゲンの生成を促進させることで、肌にハリや弾力をもたらします。
パルミトレイン酸
出典 : https://oliveoil-omega3.com/palmitoleicacid-omega7/
パルミトレイン酸は、馬油以外にもマカダミアナッツの油などに多く含まれる不飽和脂肪酸です。
不飽和脂肪酸とは、1つ以上の不飽和の炭素結合をもつ脂肪酸のことで、美容と健康によい成分です。

愛先生
パルミトレイン酸は、老化防止に役立つアンチエイジング効果があり、肌にハリやツヤをもたらします。
リノール酸
リノール酸は、脂肪酸の1つで身体の成長に欠かせない必須脂肪酸です。
必須脂肪酸は、体内で他の脂肪酸から合成できないので摂取する必要がある脂肪酸なのですが、メラニンのもとになる酵素チロシナーゼの働きを抑制する作用があります。

愛先生
リノール酸には、メラニンが作られるのを防ぐ効果があるので、おしりの黒ずみの改善はできませんが予防に向いています。
α-リノレン酸
出典 : https://ryoko-club.com/nutrition/a-linolenic-acid-effect.html
α-リノレン酸は、植物由来の脂肪酸のひとつです。
青魚の脂肪分などにも多く含まれる海洋由来のDHA、EPAと同じ仲間の脂肪酸で、健康の維持に必要不可欠と言われているオメガ3の1つでもあります。

愛先生
α-リノレン酸には、抗酸化作用があり、肌の酸化や老化を防止し肌を健康に保つ働きがあります。
馬油の色素沈着への効果
肌への美容効果の高い馬油ですが、黒ずみの元である色素沈着に効果はあるのでしょうか?
結論から説明すると、色素沈着を改善する効果はありません。
馬油に含まれている美容効果への有効成分を見てわかるように、保湿成分やアンチエイジング成分は豊富でも、色素沈着を取り除くような有効成分がないからなのです。

愛先生
よく「馬油には美白効果がある」という口コミなどがありますよね。ですが、馬油の有効成分を見ても、美白を保つ効果はあっても美白にする効果はないのです。
馬油はおしりの黒ずみに効果的か
ここまで見ると馬油はおしりの黒ずみに効果がないことがわかったと思います。
ただし、馬油には上でも説明したように美容効果の高い成分が豊富に含まれているため、おしりに黒ずみができてしまった直後であれば改善できる可能性もあります。
しかし、実際に黒ずみとなってしまっているものは治せない為、現在できてしまっている黒ずみには無意味と言えます。
なってしまった黒ずみをどうしても治したいという方は、「>おしりの黒ずみの3つの原因と誰でも治せる4つの治し方」こちらで詳しく解説しているのでそちらを参考にしてみて下さい。
黒ずみを解消する方法だけでなく、なってしまう原因から、なぜ治るのかまで詳しく説明しているので今後のケアにも役立ちます。
まとめ
馬油は歴史が古く、昔から愛され使用されてきている万能な動物性の天然油です。
現代では、敏感肌や乾燥肌などの肌トラブル対策のケア用品として幅広く用いられていますが、おしりの黒ずみを解消できるものではありません。
ですが、馬油は、優れた保湿成分が配合されているので、おしりに黒ずみができないように予防として使ってみてはいかがでしょうか。
愛先生
馬油は人の皮脂に最も近い脂質なので、肌に浸透しやすく保湿力としては優れたスキンケア用品です。肌のケア用品として赤ちゃんからお年寄りの方まで幅広く使うことができます。